幸せの形 


ここに来てよかったと、「I’m happy to be here」と毎日心から言えるのは、
本当はとても単純な、ひとつの理由だけ。


たくさんの大切な友達や、人がどんどんつながってゆく気持ちいいぐらいのオープンさ、
laidbackな空気と青い空、様々な人々が混在する来るものを拒まないカオス。

この街の好きなところを挙げたらキリがないけれど、
そういう全てのものを越えるぐらい、たったひとつのものが、私がここにいることを肯定しているんだと思う。



人生には、たくさんの岐路や選択肢があって、 欲しいものや手に入れたいものなんて、
まるで限りなくあるようにさえ見える。

でも本当は、人生なんてとても単純で 、人を本当に幸せにするものなんてひとつか、
きっとそのぐらいなんだろう。


パリにいた頃の私は、仕事や友達や満たされた生活や、きっと、昔夢に見た欲しいもの全てを手にしていた。

それでも、たったひとつの、忘れようと思えば忘れられたかもしれない些細なものを、
追いかけて全てを手放してしまうくらいに人は馬鹿で、だからこそ、人生は複雑で愛おしくて、
だからこそ、試行錯誤しながら、みんな必死に生きるんだろう。



人の縁 

人との縁ってすごいなぁと思う。

サンフランシスコに来てから、なんだか世界規模の同窓会をしているみたいだ。



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再会 


10年ぶりに会った彼は、10年前と何も変わっていなくて、
ただ少しだけ大人びて、髪が伸びていた。

私が10年間引っ越すたびに剥がしては新しい壁に貼っていた、彼の撮った写真。
同じものが、彼の部屋に飾ってあった。


ここにまた、戻ってくるなんて。



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新しい日 


飛行機を降りると、周りの音が急に英語ばかりになって、
当たり前のことのはずなのに、
なんだか既に、フランスが恋しかった。


本当に来てしまったんだなぁと思う。


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時間 


時が経つことはすごいことだと、改めて思う。

過去10年での、一番の学びだと思う。


本当に本当に苦しかったことも、好きで仕方なかった人のことさえも、
ちゃんと、時間が経つにつれて、少しずつ思い出さなくなっていく。
淘汰されていくものは自然に淘汰されていくし、必要のないものはちゃんと戻ってこない。


そして逆に、ただの上司だった人が大切な人生のアドバイザーになったり、
ただのクラスメイトだった子が、人生の友と呼べるぐらいに大切な存在になったりもする。
時が経ってもつながっているという事実が、私たちを信頼関係で結んでくれる。


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自分らしさ 


いま思うと、パリにきて最初の2ヶ月は、なんだか無理をしていたなぁと思う。

新しい土地に行くことには慣れているはずで、
ちゃんとそれぞれの場所で自分の居場所を築いてきたし、
それでも今回はなんだか、
もっと強い、プレッシャーのようなものがあった。


大切なものを遠くに置いてきてしまったという覚悟と、
約束のようなもの。

頑張らないとと何度も思ったし、
なんとなく、いつも気を張っていた。


なんであんなに頑張らないとと思ったのか、いまではもう分からないけど、
頑張れなくなったときに、受け入れてくれる場所が他にないことを、わかっていたんだと思う。
そして、それと向き合うことも、たぶん怖かったんだと思う。


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最終日 


パリでの仕事、最終日。

最後の方は、上司がトルコへ引っ越すのと重なったせいで、二人でなんだか友達のように、団結して終わる準備をしていた。

彼女が去って、私が去って、きっとまた、新しい個性が、新たなAxiosの文化を作っていくんだろう。



いつもいつも、本当にいい人たちに恵まれていたと思う。

個性の強い、国際色豊かな同僚たちは、最高の笑顔で私を迎えてくれて、別れるときにこんなにも寂しい気持ちにさせる。

世界のいろんなオフィスから送られてくる、最後の別れのメッセージ。
Skypeに表示される混沌とした時差やStatusも、明日からはもう見ることもない。


昼間から日差しの中で飲んだり、夕方の公園でのアペロを、アメリカに行ったらきっと恋しく思うんだろうな。





Beyond the night sky 


日本語を教えている友達が『夜空の向こう』を覚えたいというので、
歌詞を英語に訳してあげた。

なんか面白い(笑)


Wonder if we've been able to believe in something since that time
You see beyond the night sky, tomorrow is already waiting for us

We heard somebody and so hided ourselves in a dark
The night air came through the fence in a park
You were trying to tell me something
Your hand, you squeezed back, still aches in my heart

Have we been able to believe in the things since then?
Through the window, the air is flavored of winter

I wonder if this sorrow will fade away someday
My sigh, turned into white, faded right away

I don't know why I thought I could blow the silly norms,
though I even hesitate to set off on foot every time

The words I said to you - don't know if they still remain in you
They just go around and around in my heart

Maybe we are standing in the future we used to think of
Not everything goes as we plan, you know
The days will go on and on, right?
A starry sky lies beyond the window, clearly, so clearly

Wonder if we've been able to believe in the things since then
You know, beyond the night sky, tomorrow is already waiting for us


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ローマ 


イタリアの街は太陽と陽気に満ちあふれていて、人々は、あの独特のアクセントで、限りなく明るく、限りなく優しかった。

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パリと同じ服装をして、パリと変わらない空気で歩く自分をなんだか遠くから見て、きっと私はここに住んでいるようにも、そうじゃないようにも見えるんだろうなと思った。


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結局どこにいても、私は、こんな様なんだろう。


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ありがとう。 


仕事を辞めると決めてからほんの数日しか経っていないのに、本当にいろいろなことが変わった気がする。

目が覚めて、メールを開くたびに、泣きそうになるぐらい、誰かに支えられる日々だった。

たった数日で、サンフランで住むところが見つかって、パリで4月以降に滞在する部屋も見つかって、仕事を紹介してくれる人も現れて、引っ越しを手伝ってくれる人も、お別れパーティを企画してくれる人もいて、
まるで、みんなで寄って集って、私を泣かせようとしているみたいだった。

いまの私には何にも与えられるものなんてないのに、本当に、ありがとうとしか言えない。
これだけ与えてもらって、あとはがんばるね、としか言えない。


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