カーテンと光 


土曜日の朝、ヨガスタジオの床で力つきたまま、ゆらゆらと揺れるカーテンの光を見ていた


ふと、小さな頃、いまはもうなくなってしまった福岡の家の、私の部屋の窓から漏れる光が、まるでフラッシュバックのように重なって見えた


土曜日の朝の柔らかい光と、風に揺れるオレンジ色のカーテン
ちょっと眠りすぎてしまったような気怠い感じ


二人はもう起きていて、一階からは、まな板の音や二人の話す声が聞こえた

そのうち、何度も聞き慣れた、私の名前を呼ぶ声がして、私は、よれよれのパジャマのまま階段を降りていく

トーストを焼く匂いと、それに乗せる薄切りのりんごとはちみつ
新聞を読む、お父さんの横顔とコーヒーの香り


やがて、犬の散歩にいったり、ソファで本を読んだりしているうちにお母さんがスーパーから帰ってきて、
お父さんがキャベツとコーンの入ったラーメンを作る

カレンダーになにもない
なんの予定もないただの土曜日


何度も繰り返された、なんの変哲もないただの土曜日を
遠い、このサンフランシスコの街の片隅で、なんだかまるで夢のように思い出していた


スタジオを出ると、また携帯にはたくさんのメッセージと予定が詰まっていて
あのなんの変哲もないただの土曜日は、もう二度と繰り返されることはない

太陽の中、家へと向かいながら
この新しい街でのこの土曜日を、いつの日か、同じように、また恋しく思い出すのかもしれない


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